2025SS Collectionの新作第5弾、#3810 ANDY のご紹介です。
#3810 ANDY は、モカ部分にライトアングルでスキンステッチを施したUチップです。
スキンステッチとは、バンプとつま先のパーツを縫い合わせるのに、革の断面に針を通す技法で、非常に難易度が高く、時間のかかる工程です。
縫うためには、先が曲がった穴あけ針で糸が通る道を作ってから糸を通していきます。
大体1.5〜1.6mm の厚みの革を突き抜けることなく縫う必要があるのでとても神経を使います。
ライトアングルとは「直角」の意味で、バンプパーツとつま先パーツを直角に縫い合わせることを示しています。
革の内部を通った糸が浮き出たさまは、スキンステッチでしか出せない表情です。
外羽根ながらスキンステッチとセミスクエアのラストシルエットが相まって、ドレッシーに仕上がっております。
ブラックはボックスカーフ、ブラウンはバーニッシュカーフを使用しています。
ヨーロッパタンナーによる革で、ブラックのボックスカーフは均一性の高い表面仕上げを施してあり、しっとりとした艶と黒みがあります。
若干厚みを抑えた革なので、しなやかさも感じます。
ブラウンのバーニッシュカーフは、革製造の仕上げ工程(塗装や艶出しなど)をしていない素の状態のもので、水分やクリームをよく吸います。
靴になった時点でクリームを塗り込み、着色と艶出しを施しているので、縫い合わせのステッチ部分や革の断面にもクリームが入り、アンティークのような古めかしい質感が出ます。
ちなみにボックスカーフは、革製造の仕上げ工程で表面を仕上げ切ったもので、表面の塗装・艶出しを施して完成してます。
ボックスカーフでもクリームで着色と艶出しをできるのですが、すでに塗装仕上げしている革には色がつきにくく、色味の奥行きは出づらいです。
バーニッシュカーフは、塗装しきっていない、薄い色の状態にクリームが入るため、色味の奥行きが出ます。
この色の奥行きがバーニッシュカーフのいいところです。
バーニッシュブラウンは使用とともに色味が抜けてきますので、クリームで補色することで色の深みが増していきます。
お手入れの際に使うクリームの種類や色によって好みのエイジングを楽しむことができます。
#3810 ANDYは、以前トップグレードというハンドソーンラインで展開していたモデルを木型を変えて復刻したモデルです。
当時の木型は1204という木型で、甲が低くDウィズのタイトな足入れでした。
今回、新しく制作した木型1206は、トゥシェイプはそのままに、甲周りのタイトさを軽減し、ストライクゾーンを広げました。
ウィズは標準的なE、甲周りも標準的な高さがあります。
廃盤になってからご要望を多くいただいていたお客様、お待たせいたしました。
アップデートしたANDYを履いてみてください。
#3810 ANDY(FG-3810)
Box calf / Black
Burnish calf / Brown
US 5.0(23.0)-US9.0(27.0)
¥88,000 +tax (2025年5月17日発売)