2026SS Collection新作の #500 ALBERS flex を紹介いたします。
500 ALBERS flex は、ORIENTAL定番の 500 ALBERS を、より柔らかく履いていただけるように製法から見直したモデルです。
通常 500 ALBERS は、グッドイヤーウエルト製法でアッパーレザーにはボックスカーフを使い、ソールはシングルのレザーソールとなっています。
500 ALBERS flex は、マッケイ製法でアッパーレザーには柔軟なユタカーフを使い、ソールは柔らかめのラバーソールとなっています。
この違いでどれほど違うかは履いていただくのが一番ですが、理屈で説明すると以下のようになります。
まず製法の違いですが、グッドイヤーの場合、中底にリブテープという固くて丈夫なテープがついています。掬い縫い(ソールを付けるための1次縫い)を施すのに必要なパーツなのですが、マシンのパワーで縫い上げていくので丈夫にできています。仕方ないのですが、靴の屈曲が固くなる要素です。
そしてコルクです。
コルクは、中底とアウトソールの間に入っていますが、ORIENTALの場合、圧縮したシート状のコルクを使用しています。コルクも屈曲が固くなる要素です。ちなみにコルクはメーカーによって、シートか練りか、材質や密度など、使っているものが違うので屈曲に与える影響には差があります。
対してマッケイの場合、リブもコルクもつかないため、その分屈曲は良いです。
次に、アッパーレザーの違いです。
実はアッパーレザーが固いか柔らかいかで、かなり違いが出ます。
ボックスカーフは、長持ちすることや表面の艶・きめ細かさを重視して作られているので、しっかりとコシのある革となります。
ユタカーフは、オイルをしっかり入れてコンビネーション鞣しで作られた革なので、非常に柔らかいです。これだけでもかなり屈曲は柔らかくなります。
最後に、アウトソールです。
前提として、レザーソールでもラバーソールでも材料の種類によって柔らかいか固いかは幅があります。
グッドイヤーの 500 ALBERS に使用しているアウトソール用のレザーは、柔らかめのものですが、マッケイの 500 ALBERS flex に使用しているラバーソールは、材質自体がレザーソールよりも少し柔らかく、加えて厚みが少し薄いです。その分、幾分かシングルのレザーソールより柔らかくなっています。
厚みが薄いと言いましたが、その分レザーのミッドソールを間に挟んでいるので、ソールのトータル厚自体は 500 ALBERS とほぼ同じです。それでも屈曲性はやや柔らかくなっています。
これら3つの要素により 500 ALBERS flex は柔らかくできています。
デメリットとしては、コルクがない分、地面からの衝撃は伝わりやすくなっている点です。
もう1点、コルクがない分、足裏の馴染み(沈み)はあまりないです。グッドイヤーですと中底の革とコルクで7〜8mmくらいの馴染みしろがありますが、マッケイだと馴染みしろは中底の革の分だけになるため3mm程度です。
アッパーレザーのユタカーフについても触れておきます。
フランス・HAAS(アース)社のUtah calf(ユタカーフ)という名称の革です。ユタカーフは、菱形の型押しを施したカーフですが、型押しを施す前のベースレザーはNovonappa(ノボナッパ)という革です。9種類のオイルを配合してできていて、オイルの配合に関して非常にこだわりを持ったものと言えます。
一言にオイルといっても、植物由来のものもあれば動物由来のものもありますし、粘度や濃度など様々です。9種類というのは、柔軟性を出したり、強度を高めたり、保湿性を高めたり、様々なメリットを出すためにベストな配合を追求した結果だと思われます。
その結果、ユタカーフはなんとも言えないもっちり感と程よいオイル感のある仕上がりになっています。
また、クロム鞣しとタンニン鞣しを組み合わせたコンビネーション鞣しでできています。
クロム鞣しの作用によっても伸びがよく柔らかくなっており、タンニン鞣しの作用では緩やかにエイジングしたり艶が増していくようにもなります。
両方の良いところを兼ね備えたこの革はとても馴染みがよく、柔らかい履き味になっています。クリームの吸い込みが良いので、艶も出やすいです。
茶色に関しては、800 ARAN Utah (商品ページはこちら)で使用しているのでそちらもご確認ください。
ソール交換に関しては、マッケイでも可能です。
500 ALBERS flex の場合は、ラバーソール面だけ剥がすことで容易に交換が可能な組み立てにしているので、剥がした際にアッパーレザーへダメージを与えることなくできます。
ただし、ソール交換毎にソールエッジの出幅が減っていくのであまり多い回数は望めません。
フィッティングに関して、伸びの良い革を使っているので、使用中の伸びを考慮して、できればタイト目のフィットで選んでください。
もしタイト目にならなかったら、安易にサイズを下げるというよりはタンパッドやハーフインソール(前半分のもの)を後入れする形がベターです。
サイズを下げると、靴の長さが短くなるので足指、特に小指側が当たりやすくなってきます。
そのため、サイズ調整の方法として上記の方法がセオリーなのです。
ただ、この革に関しては多少当たっていても伸びて馴染むため、あまりシビアになりすぎなくても良いです。
500 ALBERS flex は、柔らかい履き味にこだわったローファーです。
軽快な履き味はさることながら、見た目のカジュアルさも普段使いしやすい靴になっています。
少しでも多くの人が、革靴を日常的に履くようになることを想って制作しましたので、お試し頂ければ幸いです。
#500 ALBERS flex(FG-3566)
Utah calf / Black
US 5.5(23.5)-US9.5(27.5)
¥62,000 +tax (2026年4月10日発売)