ORIENTALのシグネチャーモデル 500 ALBERS。
何度かコラムに登場していますが、改めてこのモデルのご紹介をしたいと思います。
500 ALBERSのリリースは2019年でした。
"飽きが来なくてクラシックでカジュアルなローファーが作りたい"というのがきっかけだったと記憶しています。
専用の木型を製作する過程でさまざまなローファーを研究しました。
トゥの丸さ加減や踵周りのカーブライン、ヒールの高さ設定など。
サンプル製作と修正を何度も繰り返し、1年以上はかかったのではないかと思います。
目指したローファーは、履き口が広いデザインなので足を捕まえる範囲が少なく脱げやすくなりがちです。
なので、靴が踵を掴まえられるようにヒールカーブを通常より内側に入れる木型に設計しました。
脱げにくくするための工夫はヒールカーブだけではないのですが、重点を置いたポイントではあります。
木型と同時にパターン(型紙)も決めていくのですが、のせたいデザインバランスを大体決めていたのでまずはイメージ通りのバランスになるようにしていきます。
感覚的な作業でもありますが、モカ縫いのラインどり・長さ・存在感の塩梅を決めていき、サドルと履き口が決まっていくイメージです。
パターンによってもフィット感や足の掴まりは変わるので、サンプルを作って足入れを確認し、デザインバランスと足入れが共にしっくりくるラインを探していきます。
結果、全長100%に対して、モカ35%、サドル10%、吐き口55%くらいのバランスに落ち着きました。
革は妥協をせずいいと思うものだけを使うことに決めているので、ヨーロッパの良質なボックスカーフやバーニッシュカーフを。
少しでも柔らかく履ける革選びをしていますので、気持ち足馴染みの良いものをセレクトしています。
ブラック・ダークブラウンはボックスカーフを、アンティークブラウンはバーニッシュカーフを使用しています。
仕上がった500 ALBERSは、この種のローファーとしてはそれなりの完成度になったのではないかと思っています。
改めて500 ALBERSの良いところを考えてみると
・良質なヨーロッパのカーフを使っていて質感が高い
・質感が高いのでカジュアルなスタイルの洋服に合わせると品よく締まる
・ローファーの脱げやすい問題を木型の設計で改善しているので快適に履ける
製作者なりには、このように思います。
ローファーにもいろいろなジャンルがありますが、クラシックでカジュアルなローファーをお探しでしたら 500 ALBERS を試してみていただければと思います。
#500 ALBERS(FG-3500)
ボックスカーフ / Black
US 3.0(21.0)-US9.5(27.5)
ボックスカーフ / Dark brown
US 5.0(23.0)-US9.5(27.5)
バーニッシュカーフ / Antique brown
US 5.0(23.0)-US9.5(27.5)
¥65,000 +tax
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